【可能性】平成27年度文化芸術による子どもの育成事業ドラムサークル@桜丘養護学校
・鹿児島県立桜丘養護学校体育館にて
・参加者:前後半合計64名の児童生徒と先生方合計約100名
・ファシリテーター:森田孝一郎
・ご依頼:NPO法人かごしま子ども芸術センター
知的障害や発達障害、そして身体障害など、様々な障害を抱える子どもたちが通う養護学校でのドラムサークルは、これまで何度も経験してきました。しかし、対象となる子どもたちの特性およびその反応の多様性は、普通学校の比ではなく、入念な事前の打ち合わせから、本番までかなりな緊張感を伴います。
今回も当初は、全校生徒と職員の先生方合わせて約100名を同時に90分で、という学校側からのご要望でした。普通学校なら十分可能な対象者数ですが、養護学校となると、特に子どもたちの特性の観察見極め、コンタクトコミュニケーションからの関係性づくり、また子どもたちを常時支援しつづけなければならない職員の先生方との連携など、普通学校でのドラムサークルより一人の参加者に対する対応密度が濃くなるため、参加者数を半分に分けて40分のセッションを2回させていただくこととしました。
前半、後半共に一人ひとりの児童生徒の特性を可能な限り把握し、その反応をつなげていくことで、ノンバーバルコミュニケーションによる即興音楽がつくられ、その過程を先生方とも共有しながら楽しんでもらえるよう、すすめました。
はじめからタイコと演奏に興味津々な子、周囲と無関係に乱打を繰り返す子、着席せず次々に楽器を取り替える子、恐れをなす子、その反応は様々でした。しかし、それぞれの反応を尊重し、賞賛しながらコンタクトの密度を深めていくことで、時間の経過とともにその分散化された反応に変化が見られ、無関係乱打の男子は、徐々にパルスを提示しだし、そのリズムで全体をリード、次々楽器取換女子は着席し笑顔で演奏、恐れをなしたりコンタクトを避けていた子が私からのスマイルアイコンタクトに笑顔で応えてくれるようになっていきました。
そして、子どもたちが自ら発した秋から連想されるキーワードで、歌詞をつくり、曲をつくり、みんなでうたいました。それはそれは実に美しい秋のうたができあがりました。
加えて、児童生徒の手を、上からではなく下から支え、打点で支えを放すといった、演奏サポートなど、強制的でない支援方法をご理解いただいている職員の皆様の存在がとても心強く、また、ある特性を持った子への私自身の先入観(持てないだろう、握れないだろう)を排除して下さった職員の方からの、私自身へのサポートにも深い感銘を受けました。
次回は、職員の先生たちに子どもたちのことを、もっと聞こう。
※学校側からの要望で、ドラムサークル実施中の写真は撮れませんでした。
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