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【本】ドクターJAZZ 内田修物語

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 行きつけの久美子さんの店「うげつ」で中山さんから「これ読んどいて」って言われ「あ、内田先生の本、読んだら返します」って答えたら「オレんのじゃないから、久美ちゃんに返しといて」さては自分じゃ買う金がないから久美子さんに買わしたか?自分が読みたい本や聴きたいジャズの新作CDもここ数年中山さんはこんな調子である。でもそれで許されるところが中山さんの役得か。
 内田先生は、日本のいや世界中のジャズミュージシャンから慕われている偉大なるジャズ界のパトロンである。(中山さんもそれに近いが・・・)ボクもジャズミュージシャンのはしくれとして、そんな偉大な人が名古屋で外科医してることぐらいは若い頃から知っていて羨望の存在だった。そして今を去る10年前、1994年の10月、パノニカ20周年パーティで内田先生が来鹿された際、内田先生の薫陶を受けたサックス奏者の森剣治さんからボクの携帯に「今、内田先生といるから、来ない?」と呼び出しがかかり、「ハイ!すぐ行きます!」もう二つ返事で大衆居酒屋分家無邪気に駆けつけた。学生のとき、エルビンジョーンズと一緒にメシ喰うから来い、と新聞社の人に呼び出されて以来のトキメキだったなあ。のれんをくぐると、小さなテーブルで森剣さんと帽子かぶった内田先生がおいしそうに焼酎飲んでる。知らない人から見れば鼻ひげ生やした怪しげなおっさんと初老のおじいちゃんが仲良く飲んでるの図にしか見えない。しかし、ボクにとってはその初老のおじいちゃんは神様みたいなひとだった。
 もりけんさん「おー、もりぶー、こっちこっち。先生、ドラムやってる森田君」「もりたこういちろう、です。。」緊張しまくり。だって目の前で飲んでるのは、あの伝説の銀巴里セッションを録音したり、世界中のジャズミュージシャンと親交深い、内田修先生。緊張しまくってて、先生がきびなごを「美味いねー」と言いながら喰ってたことと、なんか「勉強しなさいよ」とか言う意味のことをおっしゃってくれたことと、そのときの映像しか記憶にない。
 そんなボク自身の内田先生との思い出だが、あらためて本書で先生の業績を振り返ると、そのエネルギーたるや驚嘆に値する。一線の外科医として活躍する傍ら、12000枚を超える膨大なるジャズコレクションとライブ運営活動をされただけでもすごすぎる業績なのに、なんと鈴鹿サーキット黎明期の1960年代、レーサーとして活躍していたのだ。それだけではない、卓球に野球にゴルフに、美食探求にそしてミュージシャン顔負けの酒豪ぶり。なんと、そのおだやかなお顔からは想像できないスーパーマンぶりである。
 極めつけはお医者さんを勇退され、病院も閉院され、膨大なコレクションや資料の数々を岡崎市に寄贈することで長年の夢であったジャズ博物館を実現させてしまったことである。
【内田修ジャズコレクション】http://www.uchida-jazz.jp/
 本書の読了後、このホームページを見て、思ったのは中山さんのことであった。中山さんも内田先生まではいかないが、日本のジャズシーンを牽引されてきた一人だ。ボクらは中山さんのおかげでジャズ楽しんでられるし、これまでずいぶん貴重で楽しい思いもさせてもらった。でも、ボクらは中山さんになにかしてあげただろうか。内田先生の数々の偉大なる業績の影には、相当な内田先生の周囲の支援者の努力があったこと、想像に難くない。旧パノニカで育ったボクらは中山さんに何をしてあげられるだろう。いつまでも元気でいて欲しい、と願うだけでいいのだろうか。中山さんのことを思い、ちょっと切なくなってしまった読了感であった。


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コメント

GEN さま
コメントありがとう。自分自身の行動として、まだまだやらねばならないことがあるような気がしてなりません。行動こそ力の源、行動せねば何も起こらない、行動から運もついてくる。行動しないことは停滞、思考停止。鹿児島にいながら距離を感じさせない何かをしでかしたいとたくらんでいます。

そんなに切なくなることはないと思うよ。mojazzは全国でも珍しいと思われる全曲オリジナルアレンジで誰にも真似できない独自路線を突っ走る希有なビッグバンド、リアルディール・ミュージック・オーケストラを主宰、発展させることで学生の時に僕らをかわいがってくれた人たちに恩返しをしつつあるのでは?

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